建築における性能とは、人間に例えるならば「基礎体力」と「柔軟性」に相当するかな
基礎体力は許容応力度計算による『耐震等級3』と『断熱性能等級6以上』を達成。
基礎体力がなければどんなに美しいデザインでも長く快適に機能することは難しい。
そして柔軟性がなければ、設備機器更新のしやすさ、間取りの可変性など環境の変化や多様なニーズに対応できず、時代とともにその価値を失ってしまう

『基礎体力としての建築性能』
基礎体力とは、建物が持つ基本的な耐久性・耐震性・断熱性・気密性などの要素である。これらは建築の根幹を成し、長期にわたって快適で安全な空間を提供するために不可欠だ。
耐震性能が低ければ災害時のリスクが増し、断熱や気密が不十分であればエネルギー効率が悪化し快適性も損なわれる。
つまり、しっかりとした建築性能は、建物の「健康」を支える基礎体力そのものである。

『柔軟性としての建築性能』
一方で、どれほど優れた基礎体力を持つ建築であっても、硬直的な設計では時代の変化や住む人のライフスタイルの変化に対応できない。
可変性のある間取りや、将来的なリノベーションのしやすさ、環境に適応するパッシブデザインの導入など、柔軟性を持たせた構造デザインにより建築は長く愛され続ける
これはまさに、人間の柔軟性にも通じるものがある。
変化に適応しながらも本質を失わない建築こそ、真に価値のあるものとなる。
建築における「基礎体力」と「柔軟性」を両立させることで、単なる箱ではなく、生きた空間としての価値を持つ建築が生まれる。
これは、長く快適に暮らすための本質的な条件であり、未来の建築に求められる重要な要素である。
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